このフレームなくして、SLOW CYCLEは語れない。
それほどまでに、すべての原点が詰まっている。
—— Dyno Custom Cruiser。
15年以上前。
SNSがようやく広がり始めた頃、PCの画面に飛び込んできた一台のビーチクルーザー。
見たこともない、異様な迫力。その瞬間、頭の中はこれだけだった。
「これを作りたい。」
だが現実はゼロ。商品もない。知識もない。部品もない。教えてくれる人間もいない。
それでも諦めなかった。
海外にDMを送り続け、パーツをかき集め、すでに市場から消えたストレッチクルーザーを探し回った。
そして、ようやくすべてが揃う。
——が、問題が起きる。
太いリムに、タイヤが入らない。
「なぜだ?」「海外のあのスタイルはどうやって成立している?」
答えはなかった。だから、自分で作るしかなかった。
フレームをカットし、広げ、溶接し直す。常識を壊して、ゼロから組み上げた。
こうして完成した、世界に一台のクルーザー。
その一台を、ヨコハマホットロッドカスタムショー に展示。
そこから、すべてが動き出す。
写真がインターネットを駆け巡り、ヤフオクではストレッチクルーザーの価格が高騰。
日本に、海外カスタムカルチャーの波が生まれた。
——あれから十数年。
当時とは違うパーツをまとい、再び、この1台が完成した。
SLOW CYCLEのはじまりそのものだ。